しずおか日赤メールマガジン

第192号 令和3年08月01日発行


 暦の上では秋が始まるとはいえ、一年で最も暑い時期。 台風の発生も気になるこの頃ですが、お障りなくお過ごしでしょうか。
 8月は静岡県が現在の形に定まった「県民の日」。1876年8月21日が、当時の「静岡県」と「浜松県」の合併した日であり、今年で145年になります。ときには居住地の歴史に思いを馳せてみるのも楽しいのではないでしょうか。
 それでは、メールマガジン第192号をお届けいたします。引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞ宜しくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
子どもの夜尿を考える

2. インフォメーション
熱海市土砂災害へこころのケア班を派遣しました

子どもの夜尿を考える~家族で見守り、根気強く治療~

前号に引き続き子どもの夜尿症について、小児科部長 大河原一郎先生にお話しいただきます

放っておけば自然に治る?誤解の多い「夜尿症」

睡眠中に無意識におしっこをしてしまい、布団などをぬらしてしまう「おねしょ」。生後間もない赤ちゃんは皆おねしょをしていますが、成長に従い少しずつなくなっていきます。では、何歳までおねしょをするのが普通なのでしょうか?
 おねしょは医学用語では「夜尿症」と呼ばれ、「5歳以降で1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くもの」と定義しています。3歳では3人に1人とありふれていますが、5歳では5人に1人、小学校低学年で10人に1人、中学生で20人に1人と減っていきます(図1)。
 夜尿症の原因は、膀胱に問題がある場合や、脳から送られるホルモンに問題がある場合、睡眠に問題がある場合などさまざまです。中には尿道や尿道口の奇形など、手術が必要なお子さんもいます。

本人の心の苦痛は想像以上、周囲の気づきが大切

夜尿症は命に関わる大きな病気ではありませんが、成長に従って、集団生活の中で悩む機会が増えてきます。近年では医学的にも、子どもの精神的重圧としての影響が分かってきていて、ある調査では8〜16歳の子どもにとって、夜尿症があることはいじめに遭う以上の悪影響を及ぼしているとの報告も。夜尿症に早めに気づくことは、子どもの健やかな成長のためにも重要だと考えます。

治療は根気が必要な長期戦 大事なのは家庭の協力

次に治療法についてです。日本夜尿症学会ではこれまで行われてきた治療を医学的に整理したものを「夜尿症診療ガイドライン2016」としてまとめていて、当院で行っている診療もこのガイドラインに基づいています(図2)。
 まず取り組むのは、生活習慣の改善。具体的には就寝前3時間の飲食禁止、減塩を心がけた食生活、便秘への対処などに取り組んでいただきます。「そんなこと?」と思うかもしれませんが、中にはこうした改善を続けるうちに治ってしまう子もいるほど。それくらい、生活習慣は重要です。こうした生活改善をしばらく続けても変化が見られない場合には、アラーム療法や抗利尿ホルモン製剤による治療などを実施します。
 いずれの場合も、はっきりとした効果が現れるまでには数ヶ月以上かかります。大事なのは適切な方法を早めに見つけて、正しく実施し、長期的な視点で見守ること。夜尿症は本人の意思や心がけで治るものではありません。子どもだけの問題と考えず、親も一緒に、粘り強く取り組んであげてくださいね。


図1

図2

 

 

熱海市土砂災害へこころのケア班を派遣しました

 熱海市伊豆山地区において7月3日午前に発生した土石流によって、避難を余儀なくされている方々のこころの支援を目的に、静岡県からの要請を受けた静岡県支部からの依頼で、こころのケア第1・2班を派遣しました。
 派遣期間は第1班が令和3年7月7日~9日、第2班が7月22日~24日のいずれも3日間で熱海市内の避難所となっているホテルで、被災者に寄り添った心のケア活動を行いました。

※日本赤十字社の「こころのケア」活動・・平成7年の阪神・淡路大震災を契機に、災害時の心の問題が浮き彫りになったことから、災害時の救護活動の一つとして「こころのケア」活動を取り入れたことがはじまりです。本活動は、特別に研修を受けたこころのケア要員が、避難所や地域を巡回しながら、被災者の方々と接する中で、健康状態や身近な悩みなどをお聞きして、ストレスの軽減などにつなげていくものです。

 

 

 

 

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令和3年08月01日発行